受託研究

「かつしかの元気食堂」推進事業に関する研究

健康を維持・増進するためには、エネルギーや塩分を取り過ぎないように注意し、栄養バランスの整った食事を毎日摂ることが大切になります。

葛飾区では、身近な飲食店等がヘルシーメニューや健康を配慮した食に関するサービスが提供できるように食環境を整備する「かつしかの元気食堂」推進事業を計画として取り組み、健康づくりのための食育推進を図っています。

「かつしかの元気食堂」推進事業では、地域の身近な飲食店等で一定の基準を満たすヘルシーメニューや食に関するサービスなどを提供する「わたしの街のえらべる食堂」と、充実したヘルシーメニューとサービスや健康情報の積極的な発信を行う「かつしかの元気がでる食堂」を拠点として整備することとしています。

本事業の推進を図るために、ヘルシーメニューの開発や効果的な普及、啓発方法、具体的な事業評価に係る手法について、平成26年度から10年計画で実施しています。

塙町道の駅レストランの運営状態の改善における新規メニューの開発と、その周辺問題の解決に向けた取り組み

塙町道の駅天領郷内のレストランは経営母体が道の駅と一元化されたことで、レストランメニューの刷新と第六次産業化の軸となっている地産キノコ・野菜の活用法を考え、メニュー内における地産物の活用を更に増やし、また、軽食・売店や加工品販売所との連携による作業内容の改善・売上の向上を目的とする提案を行いました。更にはメニューにおける、栄養と健康の発信内容を検討しました。

コマツナにおける夏季高温期の遮光の有無が食味に及ぼす影響

コマツナは東京都江戸川区が発祥とされ、本学の所在地であり江戸川区と隣接している葛飾区の農家においても数多く栽培されている、東京を代表する特産野菜の一つです。コマツナは本来冬が旬の野菜ですが、現在、年間4~8作も栽培されるほど効率よく生産できることから一年中食すことができます。コマツナは一般的に、夏は苦く冬には甘いといわれいます。

本研究では、公益財団法人 東京都農林水産振興財団からの委託を受け、高温期にコマツナを栽培する際の遮光の有無がコマツナの食味に及ぼす影響を官能評価により調べ、アミノ酸の組成変化との関連性について検討し、栽培時の遮光がコマツナの食味へ及ぼす影響を明らかにすることを目的に調査を行いました。

高校サッカー選手向け練習直後の補食弁当のメニュー(レシピ)開発

全国高等学校体育連盟に加盟している高等学校の内、競技人口が最も多いのはサッカーです。高校生は最も食事量の多い時期でもあり、運動をしている学生には、朝・昼・夕の3食の食事で全てのエネルギー及び栄養素を摂取することは難しくなります。そこで、練習直後の補食を考えることとしました。特に筋肉の回復等を考えると練習直後の食事は身体のリカバリーの上でも大変有効です。本年度は高校サッカー選手向け練習直後の補食を安価で食べ易いおいしい弁当のメニュー開発と撮影することを目的に、株式会社ウッチーズからの委託を受けてメニュー(レシピ)開発を行いました。

菌床栽培キノコ類を用いた新規発酵食品及び加工品の開発、調理レシピの提案とレシピカードの作成

林産資源の豊かな塙町のキノコ栽培を後押しする取り組みとして、本受託研究では「菌床栽培キノコ類を用いた新規発酵食品及び加工品の開発、調理レシピの提案とレシピカードの作成」を行いました。新しい調理法や食べ方の開発と、それらのレシピブックは、すぐに使える研究成果として、皆様にご活用いただければと考えます。発酵食品の開発では、将来を見据えた予備的な結果となりますが、おいしいキノコ味噌の実現が期待できるものが得られました。また、天領であった歴史を持つ塙町にちなみ、江戸時代のキノコの料理法について調査を行いました。

ボディビルダー向け弁当のメニュー(レシピ)開発

ボディビルダーとして大会に出場する選手は少数ですが、競技人口は550万人をこえ、ゴルフ、ビリヤードの次に多くなっています。しかしながら、ボディビルダーに特化した食事の製品化は少なく、おいしさまで追求したものはわずかです。そこで、ボディビルダーにあった給与栄養目標量を立て、それに見合ったおいしい弁当(真空調理・冷凍)を製品化することを目的に、株式会社ウッチーズからの委託を受けてメニュー開発を行いました。

菌床栽培キノコ類を用いた新規加工食品の開発、調理レシピの作成と商品化

福島県塙町は、林産物の豊かな供給地として、山キノコや栽培キノコを、道の駅塙や、ダリちゃんショップで販売し、好評を得ています。本受託研究では、菌床栽培した本しめじの提供を受け、おいしさのポイントとなる核酸成分、そのアミノ酸組成、香気成分などの分析を実施しました。また菌床栽培されている、えのきだけ、エリンギ、きくらげ、しいたけ、なめこ、ぶなしめじ等を用いて、新規加工食品の開発を企て、新規調理メニュー開発を実施しました。

塙町菌床栽培キノコ類に関する研究

福島県塙町は、従来林産物の豊かな供給地でしたが、原発事故によりその生産や販売は甚大な打撃を受けています。これらに対する対策として、塙町では、福島県が開発したキノコ類を菌床栽培で増殖し、さらに栽培を大規模化し、生産したキノコを、安全でおいしい素材として消費者に提供したいと考えています。また、キノコの加工品や料理の新規レシピ等を考案して消費の拡大も考えています。

塙町で生産されたキノコ類の一般成分、アミノ酸組成、うま味成分の含量、機能性等を、市販のキノコ類と比較して調査し、更にキノコ加工品の開発、料理レシピの開発を通じて、開発されたキノコ類の特性を明らかにしていきます。

塙町産農産物等を使用した加工食品の開発

本学のある葛飾区と福島県塙町は、災害時相互応援協定が締結されています。本学では、本受託研究を通して福島県塙町の活性化・原発事故による風評被害の縮小に貢献し、福島県塙町のさらなる活性化を応援していきたいと考えております。また、平成24年7月24日、本学の間近に塙町のアンテナショップ「ダリちゃんショップ」が開店し、現在も営業しています。

竹パウダーを用いた野菜栽培における土壌菌叢

都市農業における野菜の高品質化への取り組みに資するため、葛飾区内農地で行う野菜栽培試験の経過及び結果等に係る調査研究の委託を葛飾区から受け、本学が受託研究として実施しました。

川連漆器(秋田県湯沢市)の集団給食用利用検証

平成24年度に実施した「稲庭まごうどん」を利用した療養食レシピ開発に関する産学連携共同研究に引き続き、秋田県漆器工業協同組合様より、川連漆器が集団給食用食器として利用可能であるかの検証について産学連携共同研究の依頼を受け、下記の通り実施しました。(協力:秋田県湯沢市産業振興部 まるごと売る課)

“稲庭まごうどん”の美味しい療養食レシピ開発

なめらかでツルっとした喉ごしと、上品な味わいで日本三大うどんの一つとして名高い「秋田県稲庭うどん」。その稲庭の里に、昔から伝わるもう一つの”うどん”があります。

その名を「稲庭まごうどん」と言い、レンゲやスプーンで食べるほど細かくしたうどんで、地元では古くから食欲がない時や病気の時、また赤ちゃんの離乳食として食べられております。

今回、稲庭うどん協同組合様より「稲庭まごうどん」を利用した療養食レシピ開発に関する産学連携共同研究の依頼を受け、実施しました。