「かつしかの元気食堂」推進事業に関する研究(平成26年度)
概要
健康を維持・増進するためには、エネルギーや塩分を取り過ぎないように注意し、栄養バランスの整った食事を毎日摂ることが大切になります。
葛飾区では、身近な飲食店等がヘルシーメニューや健康を配慮した食に関するサービスが提供できるように外食の食環境を整備する「かつしかの元気食堂」推進事業を計画事業として取り組み、健康づくりのための食育推進を図っています。
「かつしかの元気食堂」推進事業では、地域の身近な飲食店等で一定の基準を満たすヘルシーメニューや食に関するサービスなどを提供する「わたしの街のえらべる食堂」と、充実したヘルシーメニューとサービスや健康情報の積極的な発信を行う「かつしかの元気がでる食堂」を拠点として整備することとしています。
本事業の推進を図るために、ヘルシーメニューの開発や効果的な普及、啓発方法、具体的な事業評価に係る手法について、本学が受託研究として実施しました。
>>かつしかの元気食堂について(葛飾区ホームページへリンク)
研究目的
葛飾区の外食の食環境整備、地域に根ざした食育の推進、区民の健康の維持・増進を図ることを目的とした推進事業(「かつしかの元気食堂」推進事業)を実施する。本事業は、現在葛飾区保健所が取組んでいる食育サポート店の内容を充実させ、身近なところで食事に関する健康的なサービスを提供する「わたしの街のえらべる食堂」および地域の食育推進の拠点となる「かつしかの元気がでる食堂」の2種類の飲食店を新たに整備していく。
「かつしかの元気食堂」推進事業の推進に資するため、ヘルシーメニューの開発、利用者の状況、普及法等に関する調査研究を実施する。
研究内容
- ヘルシーメニューの開発
- 「和食」・「洋食」・「中華」・「麺」・「寿司」の5分野別に主食・主菜・副菜からなるメニューを各8レシピ計40レシピと、野菜のサイドメニューを「和風」・「洋風」・「中華」・「汁物」・「飲物」の5分野別に各10レシピ計50レシピを開発し、ヘルシーメニュー集として作成する。
- 「えらべる食堂」メニューの栄養計算
- 「えらべる食堂」に訪問のうえ、メニューの食材料を計量し、栄養価を計算し、栄養価計算結果を利用者に知らせるための表示物を作成する。
- 栄養相談
- 「元気がでる食堂」利用者を対象とした栄養相談を行い、モニタリング調査とサービスに関する利用者調査を実施する。
- 調査分析
- 事業評価のための、利用者のアンケート調査を実施、集計、分析、報告書作成及び報告を行う。
- 講演会の実施
- 事業周知を目的に講演会を行う。
- フードフェスタでの普及PR
- 平成26年11月22日、23日に新小岩公園で開催する「フードフェスタ」に出展し普及・PRを行う。
受託研究期間
平成26年度
受託研究担当者
- 「かつしかの元気食堂」推進協議会 会長
- 東京聖栄大学 健康栄養学部 管理栄養学科 教授 田所 忠弘(総括責任者)
- 「かつしかの元気食堂」推進協議会 委員
- 東京聖栄大学 健康栄養学部 管理栄養学科 准教授 佐川 敦子
研究協力者
東京聖栄大学 健康栄養学部 管理栄養学科
- 教授
- 鈴木 三枝
- 教授
- 高橋 祥子
- 教授
- 渡辺 順子
- 准教授
- 植松 節子
- 准教授
- 新村 眞由美
- 准教授
- 橋場 直彦
- 助手
- 本間 優理亜
- 助手
- 宮本 理恵
- 助手
- 矢島 克彦
- 助手
- 矢作 秀代
- 助手
- 吉田 真知子
田所忠弘ゼミ所属学生 、鈴木三枝ゼミ所属学生、高橋祥子ゼミ所属学生、新村眞由美ゼミ所属学生、佐川敦子ゼミ所属学生
(役職等は平成26年度現在)
ヘルシーメニューの開発
「元気が出るメニュー」
- 「和食」・「洋食」・「中華」・「麺」・「寿司」の5分野別に主食・主菜・副菜からなるメニューを各8レシピ計40レシピ
「野菜のサイドメニュー」
- 「和風」・「洋風」・「中華」・「汁物」・「飲物」の5分野別に各10レシピ
計50レシピを開発し、ヘルシーメニュー集として作成しました。
メニュー写真撮影の様子
「えらべる食堂」メニューの栄養計算
「えらべる食堂」に訪問のうえ、メニューの食材料を計量し、栄養価を計算し、栄養価計算結果を利用者に知らせるための表示物を作成しました。
栄養計算の表示物(店舗配布資料の一例、図をクリックでPDFを表示)
栄養相談
「元気がでる食堂」利用者を対象とした栄養相談を行い、モニタリング調査とサービスに関する利用者調査を実施しました。(月に1回、5ヶ月間の全5日制)
本栄養相談コースは、ウエイトコントロールの必要な方が、1日目に身体計測を行い、東京聖栄大学の教員が作成したプログラムを基に約5ヶ月かけてウエイトコントロールに挑戦しました。2日目から4日目は区役所食堂で相談と「元気がでるメニュー」を食べて、調理の工夫や食事を体感しながらコースをすすめ、5日目は東京聖栄大学で身体計測を行い5ヶ月間の成果を確認していただきました。
調査分析
事業評価のための、利用者のアンケート調査を行い、集計、分析、報告書作成及び報告を実施しました。
講演会の実施
「かつしかの元気食堂」推進事業の周知を目的に、オープン記念講演会を行いました。本講演会では、基調講演を本学健康栄養学部管理栄養学科 田所 忠弘 教授が、特別講演を株式会社タニタヘルスリンク 管理栄養士 柳生 郁子 様が行いました。また、本講演会に先立ち、オープン記念試食会を実施し、「元気がでるメニュー」に関する配膳及び試食、説明等を行いました。
フードフェスタでの普及PR
「かつしかフードフェスタ」は平成26年11月22日及び23日に新小岩公園で実施され、葛飾区保健所と本学が合同で「かつしかの元気食堂」推進事業のPRを、展示・認知度アンケート等を通じて行いました。
また、本フェスタでは、ステージイベントとして『葛飾元気野菜お弁当アイディアコンテスト』、及び『鉄板バトル!葛飾ご当地焼きそばNO.1決定戦!』が開催され、本学教員2人が専門家としての立場で、審査員として出演しました。