「かつしかの元気食堂」推進事業に関する研究(平成29年度)
概要
健康を維持・増進するためには、エネルギーや塩分を取り過ぎないように注意し、栄養バランスの整った食事を毎日摂ることが大切になります。
葛飾区で実施している身近な飲食店等がヘルシーメニューや健康を配慮した食に関するサービスが提供できるように外食の食環境を整備する「かつしかの元気食堂」推進事業に対して、本学は、ヘルシーメニューの開発や効果的な普及、啓発方法、具体的な事業評価に関わる調査研究を受託し、実施しています。
「かつしかの元気食堂」推進事業では、地域の身近な飲食店等で一定の基準を満たすヘルシーメニューや食に関するサービスなどを提供する「わたしの街のえらべる食堂」と、充実したヘルシーメニューとサービスや健康情報等の積極的な発信を行う「かつしかの元気がでる食堂」を拠点として整備することとしています。本事業は平成26年度から実施しており、本年度が4年目となります。
>>かつしかの元気食堂について(葛飾区ホームページへリンク)
研究目的
葛飾区の外食の食環境整備、地域に根ざした食育の推進、区民の健康の維持・増進を図ることを目的とした推進事業(かつしかの元気食堂推進事業)を実施する。
本事業は、現在葛飾区健康づくり課(保健所)が取組んでいる食育サポート店の内容を充実させ、①身近なところで食事に関する健康的なサービスを提供する「わたしの街のえらべる食堂」、②地域の食育推進の拠点となる「かつしかの元気がでる食堂」、③区民の野菜摂取量増加を応援する「プラス一皿の野菜料理があるお店」の 3 種類の飲食店の拡大と普及を図っていく。そしてかつしかの元気食堂推進事業の推進に資するため、ヘルシーメニューの開発、利用者の状況、普及法等に関する調査研究を実施する。
研究内容
- 「わたしの街のえらべる食堂」で提供するヘルシーレシピの開発及びレシピカードの作成
- 「わたしの街のえらべる食堂」の栄養表示をするためのメニューの栄養計算
- 3周年事業としての試食会の実施
- 「元気がでる食堂」を活用した栄養相談の実施
- 「かつしかの元気食堂」の普及 PR
聖栄葛飾祭等やフードフェスタ等イベントでの普及 PR - 事業の評価のための調査実施と報告
受託研究期間
平成29年度
受託研究担当者(役職等は平成29年度現在)
- 「かつしかの元気食堂」推進協議会 委員長
- 東京聖栄大学 健康栄養学部 管理栄養学科 教授 橋場 浩子(総括責任者)
- 「かつしかの元気食堂」推進協議会 委員
- 東京聖栄大学 地域連携センター担当 特任教授 新村 眞由美
研究協力者
東京聖栄大学 健康栄養学部 管理栄養学科
- 教授
- 鈴木 三枝
- 教授
- 髙橋 祥子
- 教授
- 渡辺 順子
- 教授
- 宮内 眞弓
- 准教授
- 植松 節子
- 准教授
- 大塚 静子
- 准教授
- 風見 公子
- 准教授
- 小林 陽子
- 講師
- 膳法 浩史
- 助教
- 星野 浩子
- 助教
- 矢島 克彦
- 助教
- 吉田 真知子
- 助手
- 平塚 文乃
- 助手
- 髙橋 麻里子
- 助手
- 柴田 隆一
- 助手
- 中村 麻衣
- 助手
- 佐久間 俊幸
管理栄養学科学生(10、11、12期生)
東京聖栄大学 健康栄養学部 食品学科
- 准教授
- 吉田 光一
撮影協力者
- 東京工芸大学
- 助教 勝倉 崚太、勝倉ゼミ 他
かつしかの元気食堂における役割と位置づけ
ヘルシーメニューの開発
東京聖栄大学の管理栄養学科3年生が「元気食堂メニュー」として、「給食経営管理実習」の授業で下記のコンセプトに基づきメニュー開発を実施しました。
コンセプト
「あなたの体に優しい野菜たっぷりメニュー」~野菜が120g以上とれる献立~
給与栄養目標量
エネルギー600kcal たんぱく質26g 食塩相当量3.0g未満
その他条件
- ①野菜を120g以上使用(緑黄色40g以上、淡色・海草・きのこ80g以上)
- ②副菜 I で野菜を70g以上使用
- ③汁物 or 主菜 or 副菜 II で野菜を70g以上使用
平成29年7月8日(土)に学内でヘルシメニューコンテストを行いました。入賞した8メニューは「かつしかの元気食堂」3店においてキャンペーン期間中(11月30日まで)期間限定で提供され、結果は大変好評でした。
ヘルシーメニューコンテスト入賞8メニュー
賞 | 主菜名 |
---|---|
理事長賞 | 鯖の味噌煮 |
優秀賞 | ロールレタス |
学長賞 | 鱈のしんじょう |
校長賞 | ギンダラの西京焼き |
学部長賞 | ガパオ焼きそば |
努力賞 | 豚カツレツのネギ味噌ソースがけ |
努力賞 | タンドリーチキン |
努力賞 | ナスのオーブン焼き |
ヘルシーメニューは、野菜たっぷりレシピ、エネルギー・栄養素の表示、野菜総量の表示、アレルギーの表示等を示した「元気食堂メニューレシピカード」を作成しました。
栄養計算
「わたしの街のえらべる食堂」に訪問のうえ、メニューの食材料を計量し、栄養計算を行い、認定内容の確認をしました。栄養表示の作成物(マーク)と実際の料理をみることで、「バランスの摂れたメニュー」についての情報も得ることができ、さらにマークに関する情報を普及することで、健康的な食事のあり方の理解が広がることが期待できます。
栄養相談
葛飾区民の方を対象に、メタボリックシドローム予防のための食生活改善・体重コントロールを目的として、食生活を中心に生活活動の改善を一定期間指導し、その成果を検証しました。
具体的には、対象者自身が生活習慣を振り返り、改善すべき点に気づき、実行をフォローアップしています。気づき→生活習慣の見直し→行動目標設定→実践へと対象者自らの行動変容の支援として、秋から開始の1コース(平成29年9月~平成30年1月)を行いました。
調査分析
事業評価のための、利用者のアンケート調査等を行い、集計、分析、報告書作成及び報告を実施しました。
試食会の実施
「かつしかの元気食堂」の3 周年を効果的により多くの区民に周知するとともに、健康づくりのために活用してもらうため、平成29年9月23日(土)正午より、東京聖栄大学に於いて「かつしかの元気食堂」、新作「元気がでるメニュー」試食会が開催されました。
開始にあたりオープニングセレモニーが行われました。田所忠弘学長、葛飾区健康部長(葛飾区保健所長)中西 好子氏より挨拶が行われた後、葛飾区健康づくり課栄養推進担当藤野係長より事業概要及びキャンペーンの説明が行われました。
「東京聖栄大学の学生による元気がでるメニュー」試食について、案内及び説明を管理栄養学科風見准教授から、試食メニューの説明を学生代表が行いました。続いて試食会が行われました。試食後アンケートを提出戴き、会は終了しました。
普及PR
聖栄葛飾祭等での普及PR
東京聖栄大学が葛飾区と包括連携協定において実施している「かつしかの元気食堂」推進事業の啓発活動の一環として、東京聖栄大学の学園祭(聖栄葛飾祭)において情報発信しました。会場は東京聖栄大学で、来場者も熱心に説明を聞いており、用意したクーポン付キャンペーンパンフレットはすべて配布し、「かつしかの元気食堂」に多くの関心が寄せられました。
かつしかフードフェスタでの普及PR
かつしかフードフェスタは、平成29年11月18日及び19日に新小岩公園で実施されました。「食」を通して葛飾区の活性化を図ると共に、フードフェスタにおいて、「かつしかの元気食堂」推進事業のパネル展示や認知度アンケートを実施し、来場者へ「かつしかの元気食堂」の関心および利用を促す取組みを実施しました。