食品学科の目的
食品学科は、食品の加工・調理、開発、流通、安全管理等に関わる基本的な知識と技術、技能の上に、多くの実験・実習を通して、食品学領域の知識・技術やコーディネート技術を身につけた食の専門家(食品技術者)の養成を目的とする。
(学則 第4条の2より)
食品の調理・加工・開発、食品の機能と安全性、食の企画とマネジメント等に関わる実践的な知識と技術を身につけます
“食”の進化やグローバル化が進む一方で、安全・安心な食品や食と健康への関心がますます高まりをみせています。食品学科では、そうした日本の現代社会に対応するため、食に関する諸問題を科学的見地からとらえ、新しい食を創出できる人材、食の安全と健康に貢献できる人材、フードビジネスにおけるマネジメント能力やプランニング力を兼ね備えた人材を育成していきます。
食品学科学びの領域
「食品の調理・加工・開発」、「食品の機能と安全性」、「食の企画とマネジメント」の全方位から、自由に科目を選択して、食と食品の「おいしさ」、「健康」、「安全」を学びます。
- ■食品の調理・加工・開発
- 高度な調理技術や食品加工技術に基づいて、食生活をより豊かにする新たな食品の開発や食に関するものづくりの技術と楽しさを学びます。
- ■食品の機能と安全性
- 食品の化学的理解を柱に食品の安全性、機能、成分分析、品質管理に至るまで、豊富な講義・実験・実習で食品を科学的に追求します。
- ■食の企画とマネジメント
- 食品や店舗の企画、コーディネート、マネジメント、食品に関わる情報の収集と発信といったフードビジネス全般に関わる専門知識とコミュニケーション能力を磨きます。
こんなことが学べます!
食の安全、おいしさ、健康などの食品に関する基礎的なことから、マーケティング、プランニング、デザインなどのフードビジネスに関することまで、さまざまな分野から食について学びます。
授業の選択肢が広いから、なりたい自分に合った知識と技術を身につけることができます。座学で学んだ科学的な理論や知識を、実験・実習で確認できる授業構成で、理解が深まり確実な学びへとつながります。
取得できる資格
- 食品衛生管理者※1(任用資格)
- 食品衛生監視員※1(任用資格)
- フードスペシャリスト
- 専門フードスペシャリスト(食品開発)
- 専門フードスペシャリスト(食品流通サービス)
- フードサイエンティスト
- フードコーディネーター
- HACCP管理者資格※2
- 食品微生物検査技士
- 家庭料理技能検定
- 官能評価士
- 和食アドバイザー検定
- 食生活アドバイザー®
- ※1:
- 食品学科は食品衛生管理者養成施設(登録)として認可されています。
- ※2:
- 日本食品保蔵科学会認定資格
製菓・製パンの科学/製菓・製パン実習
各専門家により、洋菓子ではケーキやクッキー、和菓子ではあん菓子を中心に、パン作りでは本格的なパンの製法を習得します。原材料の特徴、製造原理は基礎講義で学びます。
食品衛生学/食品衛生学実験
食品の安全性に関わる各種の検査や分析などはとても大切なこと。安全性に関わる微生物や化学物質の特性を理解するための授業です。
様々な対処方法等の知識・技術、食の安全性管理などについても学んでいきます。
食品開発論/食品開発実習
新しい食品やメニューなどを企画・開発する実習です。市場調査、商品コンセプト、コスト管理、加工技術、包装、品質、流通管理、宣伝販売促進、一連の流れを学び、テーマを決めて実習に取り組みます。
フードコーディネート論/フードコーディネート実習
食のさまざまなシーンを企画・演出するための幅広い知識を学びます。(店舗マネジメント、メニュープランニングなど)
実習では、テーブルコーディネート、マナー、料理のスタイリング、撮影方法など、より実践的な内容を修得します。
学生の声
4年 応用微生物学研究室
3年次前期の「食品開発論」を基に、後期の「食品開発実習」では、原材料や工程を変更した際の食品に与える影響を、時間をかけて調べることで、「自分の力にする学習」が出来ています。専門的で幅広い食品の分野に対応しており、実践的な経験を積める実験も多く、学生一人ひとりが熱中できる環境だと思います。食品業界に就職を目指すには、良い環境だと思います。
4年 食品学第1研究室
1年次に食品に関する勉強を多角的にして、さまざまことに関心を持ちました。2年次の頃に、店舗経営や人・物・金のマネジメントに関して見識を広めたいと思い、授業では、教科書には載っていない先生方の実体験や情報を得るため集中して取り組みました。また、食品に関する科目は、他科目とも繋がるところがあると感じ、その度に振り返り、学び直しをしました。
特色
POINT1
少人数クラスと
クラス単位の授業で、これからの”食の専門家”に求められる知識と技術を、理論だけでなく、たくさんの実験・実習を通じて楽しく修得。一人ひとりの興味に応え、個性と才能、そして創造性を伸ばせるユニークな授業ばかりです。
POINT2
インターンシップや
実社会を体験できる貴重な経験として、正課授業としてのインターンシップや国内食品産業見学、海外研修などの制度を用意しています。学科での学びを活かす、チャンスです。現場での経験は新しい発見につながります。
POINT3
海外研修
海外の食品素材や食品加工の現状、食文化等を把握することを目的として、希望者に対して実施します。日本の”食”は、世界とつながっています。農場・市場などで実際の食材や食文化に触れる体験を通して海外の”食”事情を学びます。
活躍のフィールド
食品や化成品の製造・流通、外食産業といった”食”ビジネス、そして公務員まで、活躍の場は幅広い
最近、食品関連企業における新規食品開発や販売促進、外食産業のメニュー開発や店舗運営等、フード産業の先端ビジネスにおける”食”をトータルプロデュースできる人材へのニーズが高まっています。一方、輸入品を含め様々な食材が流通している中で、各種病原体、添加物や農薬などの危害要因が人の健康に与える影響をはじめとして、食の安全性への関心が高まっています。市場に流通する各種食品、食品の製造・加工・流通などのプロセスにおける安全性や衛生管理などを担う食品衛生監視員(国家・地方公務員)の業務の重要性がますます高まる現代社会。公務員受験ガイダンスなど万全の体制でバックアップするのも食品学科の魅力の一つです。
山崎製パン(株) パン製造・販売
現在配属の「菓子パン課」での担当業務に、在学中の「製菓・製パンの科学」「製菓・製パン実習」などを中心に学んだ、パン生地に関する知識や成型の技術等を活用しています。
(令和3年度卒業)
パン生地の成形
壽食品工業(株) 製菓・製パン材料
新規ジャムの開発・サンプル試作や使用原料の手配・在庫管理など、さまざまな担当業務を進める上で、大学の実験・実習での経験は直接・間接を問わず役に立っています。
(令和2年度卒業)
試作の様子
(株)シュクレイ お土産菓子 製造・販売
『食品微生物検査技士』資格等を活かし、工場・販売店舗の製造品の安全・品質確認や、新商品の賞味期限設定に必要な検査業務を主に担当しています。
(平成30年度卒業)
検査業務の様子