今、食品学科が面白い!-研究室紹介

今、食品学科が面白い!

研究室紹介・学生の声  

応用微生物学研究室

「微生物は神様です。信じて探せば必ず見つかります」。私が大学生の時に授業で聞いた先生の言葉が今でも強く印象に残っています。微生物は全能ではありませんが、まだまだ未知のポテンシャルに満ちています。応用微生物学研究室では、発酵食品、食品素材、医薬品、バイオマスエネルギー、化成品原料、そしてこれらの加工・変換に利用される微生物酵素等、さまざまな場面で私たちの生活を支えている微生物・酵素を理解して、新しい微生物を探すとともに、多様な発酵食品への利用や食品素材の生産などに、その機能を活かす研究を行います。

北村 義明教授

研究室学生インタビュー(木下 蘭琳さん)

応用微生物学研究室では、毎週月曜日にゼミの3.4年生全員がゼミ室に集まりゼミを行っています。ゼミ以外の時間は、卒論の実験以外にも先生と一緒にお昼ご飯を食べたり、学生生活や就職活動のことなど話しています。応用微生物学研究室の特徴は、先生との距離が近く、分からないこともすぐに聞けるため、より詳しく微生物学の技術が身につくことです。私がこの研究室を選んだ理由は、先輩の卒論発表のテーマが面白く興味を持ち、パン酵母についての研究をしたいと思い、選びました。卒業研究では、発酵乳の乳酸菌と酵母を利用したパンについての研究をしており、充実した学生生活を過ごしています。

フードサイエンスコース 4年 木下 蘭琳さん
川崎市立高津高等学校 出身

食品開発研究室

食べ物のおいしさは何で決まると思いますか?色、味、香り、テクスチャー(Texture)、温度といわれています。ここでテクスチャーとは、聞きなれない言葉ですが、元来、織物の風合いなどを指す言葉でした。食品の場合、テクスチャーとは「口中の皮膚または筋肉感覚で知覚される食品の性質で、粗さ、滑らかさ、粒状感などを含む」と定義されています。テクスチャーは物理的な味ともいわれており、物理的な味がおいしさを決める食品は、白飯、豆腐、パン、だんごなど多数あります。食感は日本語では、モチモチ、ツルツル、カリカリなど感覚的に表現されています。食品開発研究室では「テクスチャーアナライザー」という機器を用いてこれらの食感を定量的に評価しています。

塩谷 敏明教授

研究テーマ【食感(テクスチャー)を重視した新しい加工食品の開発】

  • 食品の加工処理がそのテクスチャーと美味しさに及ぼす影響
  • 新しいテクスチャーの創造とその評価法の開発
研究室学生インタビュー(杉山 瑛美さん)

食品学科では食品の加工・調理だけでなく開発、流通、安全管理などの知識と技術を学ぶことができます。多くの実験・実習を通して、食品学領域の知識・技術やコーディネート技術を身につけた食の専門家・食品技術者の養成を目的としています。すべての授業が基礎から学修するため、知識がなくても安心して授業に臨めます。研修では実際に食品を扱っている工場にも行け、製品の製造過程を知ることができました。三年次では、各自が興味を持った分野の研究室に所属し、今まで学んだことを活かしテーマを決めて研究をします。食品開発研究室では雑誌会も実施して、科学論文を担当学生が解説してプレゼンテーション能力を高めていきます。この大学は少人数のため、クラスメイトや先生方との距離が近く、細かな指導を受けることができます。

フードサイエンスコース 4年 杉山 瑛美さん
和洋国府台女子高等学校 出身

調理科学研究室

調理科学研究室官能評価の様子

調理とは食材を「焼く」や「炒める」だけでなく,「洗う」,「浸漬する」,「混ぜる」など様々な操作によって,食品材料をおいしい食べ物にすることです。この調理過程で起こる現象を科学的に把握し,どのように制御すればおいしい食べ物となるかを研究しています。当研究室では,調理過程における変化を機器測定により客観的に捉えつつ,人間が実際に食べたり,匂いを嗅いだり,さわったりして調べる,官能評価という手法も用いて研究を進めています。

大田原 美保准教授

最近の研究テーマ

  • 炊飯後の米飯のおいしさを視覚化および数値化する新規評価方法の開発
  • 米粉を用いた膨化食品の老化を抑制する調製条件の検討
研究室学生インタビュー(鈴木 かえでさん)

①研究室の集まりは週何回?

毎週火曜日に研究室のメンバー全員が集まります。研究室では、当番制で興味のある研究論文を紹介し合い、分からないことなどをお互いに質問し、学んでいます。

②調理科学研究室の特徴について

研究室のゼミ生で行っている研究テーマは、老化しにくい炊飯方法、米粉パンの老化に関する研究、調理過程における野菜の色の変化などです。調理科学研究室では、調理を科学するという視点から、自分の興味に応じたテーマで研究を進めていくことができます。また研究方法には機器による測定とともに、人が食べて感じる食品の品質やおいしさを評価する官能評価という手法も用いています。

③調理科学研究室のここが凄い!研究室を選んだ理由は?

私は将来商品開発の仕事がしたいと考えています。売れる商品の開発には官能評価が欠かせません。調理科学研究室では官能評価を詳しく学ぶことができます。また希望者は、初級官能評価士の資格取得の勉強についても指導を受けることができます。鋭敏な感度を持つ官能評価のパネリストになれるよう、味覚感度等の訓練を受け、将来商品開発の仕事に活かしていきたいです。

フードビジネスコース 3年 鈴木 かえでさん
横浜商科大学高等学校 出身

食品学第1研究室

この研究室では、食品素材の機能性とその加工食品への利用について研究しています。特に新規食品素材や未利用資源の有効利用についての研究に力を入れています。過去に米粉の加工食品やシルク粉末、脱脂エゴマを利用した新規加工食品を開発しました。卒業生の研究テーマも、植物素材や加工食品の抗酸化活性の研究や、各種の増粘剤を加えた溶けにくいアイスクリームの製造など多様な研究を行っています。

筒井 知己教授

食品学第2研究室

食品学第2研究室は、食品の機能性や食品栄養成分の分野で研究活動を行っています。近年、活性酸素やフリーラジカルについての研究が盛んに行われており、ハーブや野菜、お茶などには強い抗酸化活性があることが知られています。本研究室のゼミ生は、食品の機能性やその利用法について強い関心を持っており、食べることが大好きです。常に何か面白い食材はないかなとアンテナを張り巡らしています。3年生と4年生の交流会も盛んに行われています。3年次のゼミの活動は文献講読の勉強会やグループでの研究発表を行いながら、自分の研究の方向性を決めていきます。4年生は自分のテーマでの研究に着手し、日々研究を重ねています。

荒木 裕子教授

ゼミ生の研究テーマ

  • タマネギの外皮におけるケルセチンの含有量についての研究
  • 代用コーヒーの研究~ごぼうコーヒーの焙煎条件について~
  • 圧搾方法の違いによるジュースの機能性について
  • 古代米の調理学的特性と新規利用法に関する研究
  • インドネシアの発酵食品テンペに関する研究
  • アマランサス添加パンに関する研究
  • タイの発酵ソーセージ(ネーム)に関する研究
研究室学生インタビュー(出口 美咲さん)

食品学第2研究室では、ゼミ生一人ひとりが興味のあるテーマで研究をスタートしています。研究の進捗状況については、毎週行われる発表会で発表します。発表会では研究の指導だけでなく、勉強で不安なことや就職活動についても先生が相談に乗ってくれます。卒業論文では、それぞれが気になる事について調べ、文献などに基づき、実験や調査を行い、論文として研究結果をまとめていきます。今年のテーマは和食の基本の「だし」について、アレルギー対応食品の開発、新規離乳食の開発など多岐に亘っています。残り少ない学生生活ですが、ゼミのみんなと切磋琢磨しながら良い卒業論文が完成するよう頑張っていきたいです。

フードビジネスコース 4年 出口 美咲さん
関東第一高等学校 出身

食品衛生学研究室

食品衛生学研究室では、食品および環境中に存在する化学物質について、その残留性や蓄積性の研究とそれらの化学物質の人に対する安全性を評価する研究をテーマとして取り組んでいます。特に、マウスなどの動物から培養した細胞を用いた発がん性試験を行い、食品や環境中に存在する発がん性物質を明らかにしております。一方、食品中に存在する可能性のある抗がん原性物質を検索し、それらの成分を生かした食品への活用についても研究しております。

伏脇 裕一教授

研究室学生インタビュー(鈴木 愛永さん)

私が食品衛生学研究室を選んだ理由は、授業で添加物について学んだ際に興味を持ち、添加物について深く学んでみたいと思ったからです。研究室では、精密機器を使って添加物について細かく調べます。初めて使う機器類も多いため、初めのうちは正しく使えるか不安になりましたが、先生が丁寧に説明してくださり、確認しながら進めていけるので、安心して作業をすることができます。また、先輩である4年生が論文を発表したり、卒業研究をする期間は私たち3年生がお手伝いしています。この研究室は比較的少人数であるため、先輩と後輩、学生同士が仲が良く、先生との距離が近いため、研究室での活動以外に就職活動や日頃のたわいのない会話をしてコミュニケーションをとることができるのも魅力です。

フードサイエンスコース 鈴木 愛永さん
浦和実業学園高等学校 出身

調理学研究室

食べ物のおいしいとは何か?を考え、食材と調理操作を理論的に科学的に理解することで、習熟時間の短縮に繋げる。また、食品や料理、メニュー開発、食べ物の文化、歴史について考え、食文化、歴史を学び、これからの新しい食べ物や食育活動等を通してそれを伝えていきます。

学内、学外、地域の食に関するイベントに参加、協力する事で企画力、実行力を身につける実学を行っています。学生たちは学問としての学びはもちろん、学内イベント、学外、地域の食に関するイベントに参加、協力する事で企画力、実行力等を身につける実学を進んで行っています。

吉田 光一准教授

食品加工学研究室

医食同源という言葉を聞いたことがありますか?病気を治療するのも食事をするのも、共に生命を養い健康を保つ為には欠くことができないもので、源は同じだという考えです。日頃からバランスのとれた美味しい食事をとることで病気を予防するといったように食生活は私たちの健康維持に重要な役割を担っています。また、食品には栄養面だけでなく、免疫や内分泌および神経などの生体調節機能があり、病気の予防にも役立っています。当研究室では、国内外の様々な食品に目を向け、それらの加工特性について調べるとともに、食品中に含まれる成分を分析し、健康維持に寄与する機能性成分について明らかにしていく研究や新たなる機能性食品の開発に役立てる研究を行っています。

片山 佳子准教授

研究室学生インタビュー(星野 瞳さん)

①研究室の集まりは週何回?

週に1回集まっています。4年生では定期的に中間発表があり、パワーポイントや発表の仕方など先生が丁寧に指導してくれます。また、卒業論文については、各自で先生と打合せをすることもあります。ゼミの雰囲気もとても良く、クラスよりも人数が少ないため、コミュニケーションがとりやすい環境だと思います。

②食品加工学研究室の特徴について

食品加工学研究室では、毎年大学祭でジャムを販売しています。9月頃から準備を始め、自分たちで手作りしています。またその売上げで打ち上げなどもしています。一致団結してジャムを作ることで先輩や後輩との交流も多くなり、自然と仲が良くなります。

③食品加工学研究室のここが面白い!研究室を選んだ理由!

私が食品加工学研究室を選んだ理由は、加工食品に興味があったからです。過去の先輩たちは、グルテンフリーのパンの研究や食品の機能性を高めるための研究をしていました。

④どんなことを研究中?

私の卒業研究のテーマは【落花生の味噌の抗酸化について】です。ヒトの体の細胞は、活性酸素によって酸化されます。鉄が酸化によって錆びるのとよく似ています。活性酸素とは、酸素が変化し、トラブルを起こす形になったものです。これに対抗する働きが抗酸化作用です。体が酸化され、そのダメージが蓄積してしまうとさまざまな問題が起きます。そこで、日本人に馴染みが深い味噌を抗酸化力が高いと言われている落花生で作り、抗酸化力がどのくらいあるかを研究しています。

フードサイエンスコース 星野 瞳さん
戸板女子高等学校 出身