1. 目的
生活習慣病の予防・改善を行うには、食事や運動不足、ストレス、喫煙や過度な飲酒など生活習慣の見直しが必要である。第一に食生活の改善に注目されるが、自身の身体組成、骨密度、血管年齢など現状を知り問題点を把握することが最も重要である。本年度は骨粗鬆症など「骨の健康」について注目した。
本企画の目的は、測定を行うことによりご自身の健康チェックをして頂き、来場者の
方々の健康の維持・増進に貢献することである。また、管理栄養士を目指す学生にとって、企画・運営を行いながら、直接地域の方々と接することでこれまでに学んだ専門知識やコミュニケーション能力、新たな課題発見につながり、学生への教育効果も期待できる。
2. 対象者
本企画に興味を持たれた来場者(身体測定・骨密度等測定可能な方)
3. 実施者
東京聖栄大学 健康栄養学部 管理栄養学科 准教授 大塚静子
東京聖栄大学 健康栄養学部 管理栄養学科 4年生 10名(レシピ参加4年生22名)
4. 実施期間
令和元年11月9日(土)、11月10日(日)10:00~16:00(聖栄葛飾祭内)
(【骨の健康】ミニ講座実施 11:00~11:30、14:00~14:30 両日合計4回)
5. 企画内容
参加者は身体計測(①体組成、②骨密度、③血管年齢、④血圧)後、骨密度の測定結果について4年生の学生より説明を受ける。その後、【骨の健康】のミニ講座にてカルシウムの働きや骨粗鬆症はどのようにして起こるのかを学んで頂く。
また、骨を丈夫に保つには若い時の”骨の貯金”が大切であることや骨は常に生まれ変わっていることを説明し、「骨粗鬆症の予防と改善の6ヶ条」や学生が考案した家庭で簡単にできる「骨を丈夫にする献立レシピ」、さらに骨を丈夫に保つコツコツ運動「骨粗鬆症予防体操」を紹介し、DVDを見ながら一緒に体操を行って頂き、毎日の生活の中で予防と改善ができることを紹介する。
5-1.【骨の健康】ミニ講座 説明資料(パワーポイント)
5-2.学生作成メニュー(配付資料)
5-3.配布資料(両面印刷2枚)
5-4.会場の様子
【骨の健康】ミニ講座
【午前の部11:00~11:30】
【午後の部14:00~14:30】
6. 総括
本学の聖栄葛飾祭(学園祭)では管理栄養学科企画として毎年恒例の「身体測定」企画を行っています。健康チェック「身体測定」「自分の身体、チェックしてみませんか?」の管理栄養学科企画は参加者の身体組成、骨密度、血管年齢を測定する企画であり、今年度は目的にあげた、骨粗鬆症など【骨の健康】に注目しました。
健康チェック「身体測定」「自分の身体、チェックしてみませんか?」
参加者は学生による各項目の測定および結果の説明を受けて頂きました。(測定担当:2・3年次生、説明担当:4年次生 宮内・大塚・柳瀬・膳法ゼミ生)
測定内容は血圧、身体組成(InBody)、骨密度、血管年齢を測定後、測定結果を説明ブースで参加者一人ずつに説明させて頂きました。参加者の多くは、毎年参加するリピーターが多く、前年度の結果と比べて現状維持、あるいは下がっているか確認されている方々が見受けられました。2日間の測定者数は530名余りと前年度より少し多く、学生による測定時の対応や測定結果の説明に満足して頂けました。
【骨の健康】のミニ講座
【骨の健康】のミニ講座(30分)は午前、午後1回ずつ開催(両日で計4回実施)し、カルシウムの働きや骨粗鬆症はどのようにして起こるのか学んで頂きました。
参加者は1回約20名として開催し、参加者の多くは「骨粗鬆症」という病名をご存じでしたが、どのようにして発症するのか詳しく聞いたのは初めてでした。ミニ講座では「骨粗鬆症」という病名の云われや身体の中で発症しやすい部位などを説明し、配付資料(5-3)を基に「骨粗鬆症の予防と改善の6ヶ条」の提案や、骨を丈夫に保つコツコツ運動「骨粗鬆症予防体操」を紹介し、DVDを使用しながら一緒に体操して頂きました。体を動かす参加型の講座は、参加者へ伝わっている手ごたえを学生も感じており、大変良かったです。
また、学生が考案した家庭で簡単にできる「骨を丈夫にする献立レシピ」(5-2.学生作成メニュー)の紹介を行いました。こちらはカードにして配布した為、多くの参加者に関心を示して頂けました。
ミニ講座以外の時間帯では「骨粗鬆症の予防と改善の6ヶ条」や「骨粗鬆症予防体操」や「骨を丈夫にする献立レシピ」をパネルで展示し、「骨を丈夫にする献立レシピ」のカードを、自由に持ち帰ることができるように致しました。カルシウム摂取を心掛けている妊婦の方や授乳をされていらっしゃる方からも質問が見受けられました。
このような講座を開くことにより日本人のカルシウムの摂取不足の改善と共に地域の方々の健康維持・増進に繋がれば良いと考えました。
学生達は「身体測定」企画とともに【骨の健康】企画のメニュー考案、レシピの作成、試作等、参加者に伝える事や理解してもらう事の工夫などは、目的としてあげた専門的な知識や能力を高める機会となり、アクティブラーニングとして学生達に高い教育効果に繋がったと考えられます。